台風10号は、マリアナ諸島付近をゆっくりとした速さで北に向かっており、中心気圧は985hPa、中心付近の最大風速は30m/sで暴風域を伴っている。
台風10号のアジア名は「サンサン」で、香港が提案した名称で「少女の名前」を意味している。
出典:気象庁HP
台風10号日本の気象庁発表は27日以降に東海・関東に直撃のおそれと予想
台風10号は、日本列島に向かってゆっくりと北から北西方向へと進んでいき、24日(土)にも強い勢力へと発達、26日(月)には「非常に強い」勢力になる予想。
その後、向きを北東方向に変えて28日(水)頃に日本列島へ直撃か?23日夜の進路予想では、予報円はやや東寄りへと変化しており、24日に小笠原近海に達したあと北西寄りに進む見込みで東海・関東地方を中心に直撃するおそれがあるとのこと。
台風の進路予想図で示されている黄色い円の大きさは「予報円」で、台風の中心が到達すると予想される範囲を示している。
予報した時刻に、この円内に台風の中心が入る確率は70%。 円が大きくなっているからといって台風が大きくなることを意味するものではなく、予報のバラツキを表しています。
現時点で台風10号の予報円はやや東寄りへと変わりましたが、予報円自体はとても大きくブレ幅も大きい状態。まだ近畿や四国方面へ進む可能性もあります。
予報が安定するまでの間、もう数日は予報円の位置は予報が更新される度に変わる可能性が高く、まだ確定的な進路予想を言える段階ではありません。
アメリカ軍の合同台風警報センター(JTWC)の予想も気象庁発表の内容と大きく変わりなし
アメリカ・ハワイにあるアメリカ軍の合同台風警報センター(JTWC)の情報です。
アメリカ海軍の進路予想では、傾向は気象庁と大きく変わりません。日本列島に向かって北上したのち、28日(水)にかけて東海地方を中心に直撃するおそれを示しています。最大風速の予想をみると日本のすぐ南の海上で勢力が最も強くなっています。
ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF) の予想はやや東寄り
ヨーロッパの予想モデルもやや東寄りに 東日本方面に進むデータ多く ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF) ヨーロッパ中期予報センターのアンサンブル予報結果です。
西日本から東日本を直撃する可能性を示唆する結果となっていますが、これまでの予想よりも東日本方面に向かうデータが増えているようにも見えます。ただ、まだブレ幅はかなり大きい予想です。
また、中心気圧や最大風速の予想データをみると、日本列島を直撃する直前の27日(火)に発達のピークが予想されています
台風10号は伊勢湾台風と比べて中心気圧は大きいが最大風速は今のところ約半分
今回発生している台風10号(2024年)と過去の台風の規模を比べてみました。
2024年台風10号 | 2018年21号 | 1959年15号 伊勢湾台風 |
中心気圧 985hp | 中心気圧 950hp (最大値) | 中心気圧 895hp (最大値) |
最大風速 30m/秒 | 最大風速 55m/秒 (最大値) | 最大風速 75m/秒 (最大値) |
平均速度 不明 | 平均速度 27.9km/h | 平均速度 32.4km/h |
上陸地点 不明(東海~関東に直撃か?) | 上陸地点 徳島県南部兵庫県神戸市付近 | 上陸地点 和歌山県潮岬西方 |
—- | 死者14人負傷者980人 愛知県、岐阜県など5県で約69万5320戸が停電 | 死者 4,697名 行方不明者 401名負傷者 38,921名 |
台風10号の最大風速は、実際どのくらいの風なのか・・・?
風速の数字だけだと、被害のイメージが付きにくかったので、人や樹木などへの影響を調査してみました。
15~20m/s | 20~25m/s | 25m以上 | |
人への影響 | 風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出る。 高所作業は極めて危険。 | 何かに捕まっていないと立っていられない。 飛来物によって負傷する恐れがある。 | 屋外での行動は極めて危険。 |
屋外・樹木の様子 | 電線が鳴り始める。 看板・トタン板がはがれ始める。 | 細い木の幹が折れたり、根の張っていない木が倒れたりする。 看板が落下・飛散する。 | 多くの樹木が倒れる。 電柱や街灯でも倒れるものが発生する。 ブロック塀で倒れるものが発生する。 |
風速25mでも電柱が倒れるものが出始めるのですね。伊勢湾台風の最大風速は75m/sと3倍の強さだったのですね。想像できないくらいの強い風が吹いたことが比較してみて改めて分かりました。
台風10号の接近前に家の内外の備えを確認しよう
- 窓や雨戸はしっかりと鍵をかけ、必要に応じて補強しましょう。
- 側溝や排水口は掃除して水はけを良くしておきましょう。
- 風で飛ばされそうな物は飛ばないように固定したり、屋内へ格納しましょう。
非常用具の確認や水の確保など、家の中の備えも再確認しましょう
- 非常用具を確認しましょう。(懐中電灯、携帯用ラジオ(乾電池式)、救急用品など)
- 室内からの安全対策をしましょう。(窓ガラスに飛散防止フィルムやテープなどを貼ったり、カーテンやブラインドを下ろすなど)
- 水の確保をしましょう。(断水に備えて飲料水を確保したり、浴槽に水を張って生活用水を確保するなど)
- 非常用食品を準備しましょう。(乾パンやクラッカー、レトルト食品、缶詰など)
台風10号が接近中は不要な外出は控え、危険な場所へは近づかないことが大切
雨で増水した小川や側溝は境界が見えにくくなり、転落事故などが発生する恐れがあります。
山崩れ・がけ崩れも起こりやすくなるため、日頃は安全と思われている場所でも油断せず、危険な場所へは近づかないようにしましょう。
不要な外出は避け、台風が過ぎ去るのを待ちましょう。
また、海上や海岸付近では台風接近前から波が高くなり、台風が通過した後もしばらくは波が高いことが多いです。 台風接近時は川や海、海岸付近に高波を見に行くなど危険な事はやめましょう。
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