16年ぶりの女性騎手として活躍してきた藤田菜七子騎手。27歳と若くまだまだこれからの活躍が期待される中の突然の引退に至った経緯をまとめました。
藤田菜七子騎手の電撃引退。原因は何?
昨年実施された通信機器の不適切使用経験の有無調査に虚偽の回答
2023年5月に行われたJRAの「通信機器の不適切使用経験の有無」調査に虚偽の回答をしていたことが発覚し、騎乗停止処分に。
騎乗停止期間は裁定委員会で決めると発表されたことを受け、藤田菜七子騎手から引退届を提出し受理されたため引退となった。
藤田奈七子騎手の通信相手は現在の旦那?
通信相手は複数の厩舎関係者だったと告白したとの事だが、口が裂けてもJRA職員と通信したとは絶対に言えないだろうから真相は闇の中ですね。 藤田さんが同時進行でJRA職員(現在の旦那さん)と厩舎関係者と交際してたからフラれた厩舎関係者が文春に情報をリークした。という情報もあるようです。
これ以上調査が進むと旦那さんの現在や将来の仕事に大きな影響が発生してしまうことを恐れて問題を早期解決するべく早々に引退届を提出したのでは?と推測するファンも多い。
なぜスマートフォン(通信機器)の使用が禁止されているのか?
騎手はレース前日の21時までに調整ルームと呼ばれる寄宿に入り、八百長の防止などの観点から外部との接触を避けることを目的にレース開催中などに騎手がスマートフォン等の通信機能を利用することが禁止されていている。
公正確保のため持ち込みが禁じられているスマートフォンを調整ルーム内で利用すると騎乗停止などの処分をされるが、過去に遡っての処分は異例。
藤田菜七子騎手電撃引退のまでの経緯
2023年5月の通信機器の不適切使用調査で使用内容を自己申告
JRAは昨年5月、今村聖奈ら若手騎手6人のスマホ不適切利用が発覚した際、全騎手に対して「通信機器の不適切使用経験の有無」を調査。
その際に彼女はただ一人、自己申告で違反を申し出た。当初は「TwitterとYouTubeを使用した」と明かし、JRAは藤田を厳重注意。この処分については「指導であり注意。施行規程上の処分ではない」として公表しなかった。
2024年10月週刊文春の記事にて藤田騎手の自己申告の内容が虚偽と発覚
2024年10月10日発売の「週刊文春」で藤田が外部と交わしたLINEの履歴など複数の通信データの存在が発覚。
そこには通信日時も記録されており、藤田が調整ルームにいる時間帯に外部とメッセージのやりとりや通話をしていたことを示すものが含まれており、2023年5月の自己申告の内容が虚偽あったことが発覚。
週刊文春の報道を受け改めて行われた聞き取り調査にて他者との通信を認め騎乗停止処分に。
改めて行われた聞き取り調査にて、連絡を取ったのは「厩舎関係者」だと主張。相手は職員ではないとした。また本人は「(違反をした日)以降は開催日に調整ルーム居室内に携帯は持ち込んでいない」と話していた。
この結果を受け、10月11日より藤田を騎乗停止処分にすると発表。騎乗停止期間は裁定委員会にて定めるとされた。松窪隆一審判部長は、今回の処分について「当時の聴き取り調査では、他者との通信はしていないと言っていたが本当はそういうことがあった。虚偽の申告をしていたことが大きかった」と説明した。
騎乗停止処分の発表を受け、藤田騎手が引退届を提出し受理され引退となった
師匠の根本康広師は11日、美浦トレセンで報道陣に対応し、10日にトレセン内の根本厩舎で藤田が引退届を書いたと告白。師の万年筆で引退届を書き終えると、藤田は師匠の胸で慟哭(どうこく)した。師も声を上げて泣き、別れたという。
根本師は「(昨年5月の)若手騎手6人のスマホの件の時、菜七子は以前に、そういう通信機器を使っていたことをJRAに自ら報告をしている。そして、その際に口頭で厳重注意を受けている。それが週刊誌の報道で、また処分を受ける形となってしまった。本人も納得がいかない部分があると思う」と説明した。
JRAの女性騎手として史上最多となる通算166勝を挙げ、日本人の女性騎手として初めて重賞を制するなどの目覚ましい活躍を見せてきた藤田。
現在27歳。気力、体力も十分な中まだまだこれからの活躍が期待されていた中での引退劇であり競馬ファンにとってはまさに青天の霹靂と言える出来事だったのではないだろうか。
競馬とは関係のない家で生まれ育った彼女は小学校6年生のときに騎手になることを夢見て、中学卒業後には競馬学校へ入学。
2016年にはJRAでは史上7人目、2013年以来3年ぶりとなる女性騎手の誕生に大きく沸き、川崎競馬場で迎えたデビュー戦には各種メディアがこぞって取り上げるという異例の事態となった。
デビュー以降、毎年着実に活躍を重ね、2021年には古川菜穂、永島まなみ、2022年に今村聖奈、2023年は河原田菜々、小林美駒、そして今年は大江原比呂……
と藤田菜七子に続けとばかりに毎年のように女性騎手がJRAでデビューするようになり、その中で藤田菜七子は女性騎手のパイオニアであり続けた。
突然の引退は本当に残念でならないが、166勝という勝ち星以上にもっと価値があるものを彼女は競馬界に残した活躍はファンによって語り継がれることになるだろう。