中国で「新たなコロナウイルス」が発見された。ヒトへの感染は未確認ではあるものの、ヒトに感染する可能性がある新たなコロナウイルスがコウモリから検出されたとする論文を中国湖北省武漢の武漢ウイルス研究所の研究者らが学術誌に発表した。
武漢の新たなコロナウィルスは米中の合同研究が原因?
アメリカのマッカロー博士は武漢実験室で進行中のコロナウイルス研究は世界の健康と安全に深刻な脅威をもたらしており、再びパンデミックが発生する可能性があると警鐘を鳴らす。
メルガバ・コロナウィルスHKU5はACE2受容体を通じて容易に人間に感染するコウモリウィルス。
ピーターダザック氏らが実験室技術を全て武漢に移しウィルスを作り出したため、新たなパンデミックに備えて、各国がサンプルを保有すべきだと主張した。
米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長がコロナの発生源を隠蔽?
バイデン大統領が新型コロナウイルスの起源についての再調査を情報機関に指示し新事実が明らかになっているが、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長に注目が集まっている。
ファウチ氏は1984年から同所長を務め、現在も新型コロナウイルス対策の陣頭指揮をとっている。しかし、ニュースサイト「バズフィード」が情報自由法に基づきファウチ氏の電子メールの公開を要請、3200通に及ぶメールが公表され雲行きが怪しくなっている。
2020年1月末に知り合いの研究者から「問題のウイルスは自然に変異したとは考えられない異常な特徴がある」とのメールを受け取ったが、ファウチ氏はその事実を明らかにせず、むしろ「ウイルスは動物から人に感染した」とする自然発生説を強調するようになった。
非営利団体エコヘルス・アライアンスのピーター・ダスザック氏が自然発生説に同調
ファウチ氏の主張にいち早く賛意を示したのがニューヨークの非営利団体エコヘルス・アライアンスのピーター・ダスザック代表。ダスザック氏は2020年2月、医学誌「ランセット」に「新型コロナウイルスが自然な発生源を持たないことを示唆する陰謀論を私たちは断固として非難する」と宣言し、これをきっかけにメディアに頻繁に登場することになった。
ダスザック氏は、WHO武漢現地調査団のメンバーとして唯一中国への入国が認められた米国人となり、WHOが「研究所流出説はあり得ない」と結論付けるのに主導的な役割を果たしたとされている。
ダスザック氏を通じて連邦助成金を武漢ウイルス研究所へ提供していた
一躍「時の人」となったダスザック氏だが、武漢ウイルス研究所のコウモリのウイルス研究の第一人者である石正麗氏と長年共同研究を行い、十数本近い論文を共同執筆するなど中国との関係が深い。ダスザック氏が代表を務めるエコヘルス・アライアンスが受け取った連邦助成金のうち60万ドルを武漢ウイルス研究所に研究資金として提供しているが、その際、米保健福祉省に設けられた危険なウイルス研究を防止する役割を担うP3COの審査を受けていなかったことが問題になっている。
審査が行われなかった理由は、NIAIDが「機能獲得実験ではない」と判断したからだが、「この助成金を元に武漢ウイルス研究所は雲南省のコウモリの体内から見つかったコロナウイルスについての機能獲得実験をずさんな安全基準の下で行っていた」と考えている研究者は少なくない。
新しいコロナウィルスの感染性を高める実験への懸念が高まる
新しいコロナウィルスのパンデミックの可能性がゼロだと断定されたわけではない。
英紙テレグラフ(電子版)は2月26日、論文の結論部分にウイルス株の「さらなる調査」や、ヒト遺伝子組み換えマウスを用いた実験の必要性が提案されていることに言及。研究チームが今後、さらに追加で「感染性を高める実験」を行う恐れがあるとして「不吉だ」と指摘した。
このような状況はトランプ大統領と中共の間の重大な外交問題となるだろう。武漢ウイルス研究所は差し迫った脅威であると言えるだろう。