中国語が話せなくても乗れて安い路線バス。各所に行けるため乗れるようになると行動範囲が広がります。しかし日本との違いや中国路線バスの特徴を知っておかないと危ないことも。
この記事では子連れで路線バスを安全に利用するための注意点をまとめました。現地停留所の様子や乗り降りの方法なども具体的にご紹介します。
路線バスに子連れで乗る時に注意してほしい5つのこと
行きたい目的地に路線バスで行けるか確認しよう
自家用車も普及が進んでいますが、路線バスは市民の足としてまだまだ現役。路線バスで行けないところはないのでは?ないかと思うほどあらゆる道をカバーしています。
そのため、どのバスに乗るか?はとっても大事。初めていく場所は予習をしてからでかけましょう。自宅で「百度地図」を使ってリサーチしておきます。
現地で再検索するとあとどのくらいでバスが到着する予定か?およその時間も表示されます。バスを待つか?諦めてタクシー移動にするか?の判断材料にできます。
路線によっては日に数本しか走ってないものもあります。
<トイレの場所を確認しておこう>
目的地が遠く、乗り換える場合にはそのバス停の近くにあるトイレを探しておくと安心です。
日本のようにコンビニでトイレを借りられるケースは少ないです。公衆トイレもありますが、お子さんによっては入るのに抵抗が出てしまうケースも・・・。(日本のきれいさを基準にするとどうしても嫌悪感を感じてしまうと思います。特に女の子。)
公衆トイレよりは駅のトイレの方がまだ衛生的かな?観光地の公衆トイレは頻繁に掃除されていてきれいな所もあります。
場所によって状況が違うので現地で確認していくと親子でのトイレルールが決まってくると思います。(ここは綺麗だった。あそこは微妙。など)
近くにデパートやホテルがあると安心です。日本と同じでホテルはロビーに、デパートは1階ではなく2階以上のフロアにトイレが設置されていることが多いです。
停留所を探そう(進行方向に注意)
地図アプリを使って、バス停を探しましょう。道路の両側に同じ名前のバス停があるので、目的地がどちらの方向にあるのか?確認して進行方向のバス停で待ちます。
このバス停に停まるバスの番号と、その番号のバスが停まるバス停が始発から終発まで一覧で表示されています。
↓このバス停には「33」、「406」、「31」、「312」のバスが停まります。それぞれの一覧の中に自分が行きたいバス停の名前が入っていればその番号のバスに乗ればよいです。
自分が今いるバス停が赤字で記されていて、矢印(←)の方向が進行方向を示します。
<バスの番号と目的地までのバス停の数を親子で確認しよう>
乗るバスの番号と目的地を確認してどのくらいの数のバス停を通過する予定なのか?親子で確認しておきましょう。車両によって次のバス停の名前が表示される電光掲示板があったり、なかったりするので、降りる準備のためです。
電光掲示板がない場合には音声のみの案内となるので、最初のうちは地名が聞き取れないと思います。バスの中でも百度地図を起動しておき、降りるバス停も確認しておきます。
現在地が赤字表記されているので、そこから何個目が目的地か?数えてから乗車すると安心です。
乗車したい番号の運転手に乗る意思を伝えよう
路線バスには必ず番号が表示されているので、番号をよく確認して乗車しましょう。同じ停留所に様々な路線のバスが走っていますので、乗り間違えないように気をつけましょう。
また降車客がいない場合には、停留所に停まらず通過する運転手もいるので、乗車したいバスが近づいてきたら手をあげて乗車の意思を運転手に伝えましょう。
バスが近づいてきたら、荷物をまとめて持っておく、子供を抱っこしておきスムーズに乗車できるよう準備しましょう。もたもたしていると置いていかれます。
運転手へのアピールはジェスチャー大きめで見逃されないようにしましょう。もし通過されてしまったら、慌てる様子を見せる、追いかけるなどすると止まって乗車させてくれることもあります。
「乗ります」アピールは恥ずかしがらずに動き大きめで。
<おばさまやおばあさまの親切には甘えよう>
1人で子供を2人連れて路線バスに乗車しようとする時に、おばさまやおばあ様が子供達の手を引いて乗車を助けてくれることがありますのでご厚意に甘えましょう。
自分が大きな荷物を持っている時には、荷物を持ってくれることも。最初はスリを警戒していましたが、私が暮らしていた蘇州ではスリ被害はほとんど聞かなかったです。
「子供は世の中の宝である」という教えが広がっており子連れで出かけると荷物を運んだり、子供の乗車を手伝ってくれたりします。
そんな時は遠慮せずニコやかに「謝謝。謝謝」とお礼を言いましょう。(なぜか現地の方、「謝謝」は必ず2回言うのでマネしていました)
前の扉から子供は抱っこして乗車し、料金を支払います
バスには前の扉から乗ります。料金は先払いで基本1元。移動距離が長いバスは2元の時もあります。子供は120cm以下は無料です。
乗車時は混みあいますので、スムーズに乗れるよう1元コインを事前にポケットに準備しておきましょう。
<バスの運転は荒い!子供は一刻も早く座らせよう>
運転が荒く、最後の客が乗車したと同時に加速するため急いで乗車し子供をイスに座らせます。
幼稚園児までの小さなお子さんは抱っこして乗りましょう。(子どもを歩かせない)日本のように発車時に運転手さんから一言案内があったりはしません。急発進、急停止が当たり前のため、大人1人で子供2人を乗せたり、ベビーカーを持って乗車するのは慣れないと難しいと思います。
車内で座れない場合には子供には席を譲ってくれるケースがほとんどです。遠慮すると逆に「危ないぞ」と怒られますので、席を譲っていただいた時にはお礼を言って座らせてもらいましょう。
また車内が混みあっている場合には1席で2人を座らせたり、大人の膝の上に子供を座らせたり周りへの配慮も忘れずに。
降りる時は後ろの扉から。扉付近に移動するか、運転手に声をかけます
「降車」ボタンがあるバスはボタンを押します。ボタンがない車両は降りるバス停が近づいたら「降りる!!」と大声で叫び、運転手にアピールしないと通過されますのでご注意ください。ちなみに中国語では「シャー」。
降りるバス停が近づいてきたら後ろの扉付近に移動できるとよいのですが、移動できない場合や子供が小さく運転中の移動が難しい場合には叫ぶのがポイントとなります。
通過されないためにも運転手に聞こえるよう大きな声で「シャー」と叫んでくださいね。
<降りる準備も親子で。>
降りるバス停が近づいてきたら、子供にも降りる準備をさせます。機敏に動けないと、降り損ねたり、怒られたりしますので、さっと降りられるように荷物を手に持っておく、子供を抱っこしておくなど降りる準備をしておきましょう。
赴任して間もない頃、娘を抱っこした私だけ降りたところでバスのドアが閉まってしまい、当時5歳の息子がバスに1人取り残されるという事件が発生!!
走って追いかける私に他の乗客が気づいてくれてバスは数メートルのところで停車。無事に降りることができました。
その時は運転手にアピールした方がいいことは知らず、黙って降りました。それ以来、息子はバスを降りる時には手をあげて(運転手へのアピール)「シャー」といいながら降りるようになりました。
便利な交通カード(公共交通卡)を購入しよう
毎回小銭を準備するのも面倒ですし、子連れ乗車は荷物も多いため交通カードを作ることをオススメします。地下鉄の駅やコンビニ、デパート、銀行など色々な場所で販売されています。
都市によってデポジットが違うようですが、20~30元で作ることができます。作成した都市以外の場所でも中国国内であれば使用できます。
私は蘇州で作成しましたが、上海や北京でも同じカードを使用できました。
私はファミリーマートで購入しました。このカードの写真を店員さんに見せて「新しいカードが欲しい」と言っただけでスムーズに発行されました。
いくら入れたいのか?を聞かれますので50元札か100元札を渡して、「全部」と答えましょう。
<チャージについて>
日本と同様、地下鉄の駅にチャージができる精算機が置いてありますので、機械にカードを入れて現金を入れるだけ。簡単です。もちろん購入した場所(デパートやコンビニなど)でもチャージ可能です。
<カードホルダ―に入れて紛失防止>
交通系カードを作成したら、伸び縮みするストラップのついたカードホルダーに入れて鞄に付けておくのがオススメです。紛失リスクも抑えられ、子供からの「ピ」ってやりたい!リクエストに答えるにも安心です。中国でも購入できますが、おしゃれなデザインのものがよければ日本から持ち込みましょう。
ベビーカーを持ち込むなら大人1人では危険です
折り畳み式のベビーカーであれば、路線バスに持ち込んで乗車することは可能ですが、大人1人では無理です。子供を抱っこして畳んだベビーカーを車内に運搬するのは女性の腕力では無理だと思います。
目的地にベビーカーを持っていきいたい場合は路線バスではなく、地下鉄かタクシーでの移動がオススメです。
大人のお友達が何人も一緒に移動する場合にベビーカー1台だけ持ち込む。ような場合には路線バスでも移動できますが、ママが1人で移動する時にはベビーカーは持たずに抱っこ紐で出かけるか、タクシーで移動しましょう。